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2011年10月2日日曜日

これがレポート? その2 

『レッスン前半編』

「さぁ、ここからどんな風にせめてどんな結果がでたのか」って・・・そんなにハードル上げられたら、
ものすごくレポートしにくいですけど(笑) (注1)

ともあれ・・・レッスンにあたって、大筋は決めていました。

体操を通して感じてもらったことと、講義内容を繋げる。
それをさらに実際のスポーツ指導でよくありそうな場面に置き換える。
あまり欲張らず、一貫性のある流れを作る。

前半は横向き、後半は仰向け


会場に着いた時、ちょうど受付していた参加者は、50代くらいのふつうのおじちゃんでした。

私の中に渦巻いていた不安、「私より生理学とか解剖学とか詳しい人いたらどうしよう」
「ものすごく細かい質問されたらやだな」とか・・・
仮にも「指導者」と看板掲げてる人たちの集まりですから、そんな事がないとも限らない。
自分の勉強不足ゆえの不安が緊張につながっているのはよ~く分かっていました。

でもその「ふつうのおじちゃん」を見た瞬間、ふと緊張から解放されました。
その「ふつうのおじちゃん」が何物かはまったくわからないのに(笑)。
なんというか・・・勝手な思い込みもたまには役に立ちます。

185畳もある柔道場がその会場でした。
「お~この畳はいいねぇ」なんて余裕の発言かましながら、ピンマイクをセット。
その昔、エアロビのインストラクターだった私にとってピンマイクはお手の物。
だからなんだって話ですけど・・・

開講式なるものが始まり・・なんかの儀式みたいだなとか思いつつ(笑)
「では先生お願いします」みたいになったところで、


いきなり、
「これだけ広い会場ですから、好きなところに好きなように寝転んでください。
光の感じ、空気の流れ・・・いろいろ違いますよ」
と寝転んでもらった。

思った通りの現象が起きた。
皆同じ方向に脚を向けて、仰向けになった。

「今ね、ものすごく面白いことが起きてるんです。好きなように・・・と言ったのに、
皆さん同じ方向向いてるんです。」  クスクスと笑いが聞こえた。
「私は見本なんて見せませんから、もう一度好きなほうを向いてみてください」
え・・見本ないの?と聞こえてきた。
なに何、何が始まるの・・・という空気。
それでも、もぞもぞとむきを変える人が出始めた。

優しく動け、頑張るな、痛みや違和感を無視するなといういつものメッセージの後、

「実際体操している間は、メモは取らないでください。」

この一言は、効いた・・と思う。
うまく表現できないけれど・・・空気がピーンと、みんなが私の声に集中する感じが伝わってきた。

スキャンのあと、
頭をゆっくりと左右に転がす
あえて眉間にしわを寄せ、奥歯をかみしめながら動かしてもらう。

これは、やろうと決めていた。
スポーツの場面で、奥歯をかみしめるというのはよくあること、
よぶんな緊張が何をするのか感じてもらいたかった。

それから汽車の動き・・・・

‘あ、間違えた。前半横向きって・・あ~あ・・・このままいくしかないか(心の声)‘

汽車の動きを見ていて、ものすごく反応がいいことが分かった。
小さく丁寧に動く人が多い。
「かかとはどんなラインを描いていますか」という言葉で動きを変えて試している人もいる。

左右終わったところで、
「両足を立膝にしましょう」
「今どんな風にひざをたてましたか?両足同時?片足ずつ?どちらの脚から?」
自分がどんなふうに動いているのか、明確になるまで何度か繰り返し観察してもらう。

膝を開く、片足ずつ~両足同じ方向
動きが大きくなってきたことろで、
「邪魔をしている部分、動きが止まってしまう場所」を探す。

講義では理論的なことを話すつもりでいた。動きと理論との一貫性を持たせるために、
いくつかのキーワードを前半で抑えておこうと思っていた。

「邪魔をする部分をさがす」
「自分のやっていることを知る」
「楽な動きを探す」


シンプルにゆっくり、と自分に言い聞かせながら進めた。

遠くにちびっこが見えた、お母さんが参加するのについてきたとおぼしき小学生。「大先生がいる!(心の声)」

前半最後、膝を持って転がって起き上がる をやろう!!
スポーツ愛好者、まして指導者にまでなっている人のプライドをくすぐってやろう(笑)
簡単にできそうなのに、何かが違う・・・この感覚は考えることにつながると思うから。

狙い通りだった(笑)。大人はうまく転がれない、でもちびっこは自由自在。
しかも大先生、臆せず80人の大人の前で転がって見せてくれた。ものすごくうれしそうに、楽しそうに。

筋力だけがすべてじゃないって説明をつけた。
ほんとは「最大筋力ど~の・・なんて何の役にも立たないよ!」と言いたかったけど・・私も大人だからちょっと控えた(笑)。

前半一時間弱はこんな風に終わった。
今思えば・・・無難なレッスンだったような気がする。安全運転・・。

講義、後半実技編 に続く・・・あ~長っ


注1:レポートその1に対するコンラッド氏からの感想、締めくくりの言葉

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